今回は、「651系0番台廃車回送 全編成廃車 JR東日本「スーパーひたち」」という事で書いてまいりたいと思います。
JR東日本「スーパーひたち」で運用されておりました特急型車両651系が廃車回送されました。新型車両による置き換えにより次々と廃車されておりましたが、ついに最後の編成が廃車という形に。また一つ、車両の歴史に幕を下ろすこととなります。
JR東日本651系電車
東日本旅客鉄道(JR東日本)の特急形電車で、交流直流両用である。
1990年(平成2年)、第33回鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。
常磐線の特急「ひたち」で使われていた485系電車の置き換えに、川崎重工業で製造された。1989年(平成元年)3月11日のダイヤ改正から営業運転を開始した。
製造後、基本7両編成と付属4両編成が各9本の計99両が、勝田電車区→勝田車両センターに配置された。
大きな特徴はスピード・アップで、滑走再粘着装置の搭載で130 km/hからの制動距離を規定の600 m以内に抑えることにより、在来線特急列車としては初めて最高速度130 km/hでの営業運転を実現した。130 km/h運転区間は上野 - 日立間である。130 km/h対応の特急型電車としては、九州旅客鉄道(JR九州)の783系電車が先に登場していたが、同系が130 km/h運転を開始したのは、1990年(平成2年)からである。
後部標識灯を兼ねたLED表示式のヘッドサインや、間接照明・各座席への読書灯の採用など、外装・内装にも工夫が凝らされ、このあと次々と登場する自由なデザインの車両のさきがけとなり、白色を基調とした外装から、登場時には「タキシードボディのすごいヤツ」というキャッチコピーが与えられた。
編成
基本編成:7両(4M3T)
付属編成:4両(2M2T)
軌間
1,067 mm
電気方式
直流1,500 V
交流20,000 V (50 Hz)
(架空電車線方式)
最高運転速度
130 km/h
設計最高速度
160 km/h
起動加速度
1.95 km/h/s
減速度(非常)
5.2 km/h/s
編成定員
398名(普通車362名+グリーン車36名)
240名(普通車のみ)
幻のラストラン
651系は、6月28日に「伊豆クレイル」としてラストランする予定だった。しかし、新型コロナウィルス感染拡大の影響により自粛ムードが続き、この運転が中止となった。まさに、幻のラストランである。
鉄道のラストランでコロナの影響により中止となったケースは、今年春に新幹線でもあった。今年3月8日に予定されていたJR東海の700系新幹線のラストランは、コロナにより中止されていたのである。
コロナの影響は、鉄道の貴重なイベントにまで猛威を振るっているのだ。
鉄道ファン 最後の別れ
2020.6.5 6月5日に水カツ所属のラスト1編成の651系0番代が常磐線を離れていきました。 デビューから約30年。たくさんのファンを作ってきたことでしょう。 勝田駅では駅員さんのアツイ想いが電光掲示板に表示されていました。 この言葉に尽きます。 「ありがとう651系」 pic.twitter.com/3TmLYYxu2y
画像・動画を閉じるTwitterひぐっぺ@hamukatuk103
6月5日 651系K205編成 小山~小金井にて 最後に撮れて良かったです。 pic.twitter.com/s8VS2vTRxm
Twitterしろくま15号@sirokuma015
電光掲示板に表示されている「ありがとう651系。」という文字は、あまり慣れ親しんでいない人間が見ても、目頭を熱くする。
鉄道車両の引退というのは、なにか不思議な感覚を与えてくれるものである。
それぞれの別れ・想い
鉄道車両の引退には、人それぞれ事情を抱えた感情がある。
幼い頃から慣れ親しんだ車両として愛着があり、まるで家族の様にともに育った存在であったり、通勤・通学などでよく利用した戦友の様なもの。鉄道をこよなく愛するファンだけでなく、一般の人でも大なり小なりあるだろう。
鉄道ファンには様々なジャンルがあり、乗り鉄・撮り鉄・音鉄・時刻表鉄・模型鉄などなど、ほかにも多数あるが、各自、思い思いのお別れをしてきたのだろうと思われる。中には、その節目のシーンに立ち会えず、悔しい思いをする方も多数。
ちなみに、このような別れの事を「葬式鉄」と言うそうな。
ハマればハマるほど、奥が深い文化である。
まとめ
今回は、「651系0番台廃車回送 全編成廃車 JR東日本「スーパーひたち」」という事で書いてまいりました。
鉄道車両の引退は、ある意味アイドルの卒業に似ております。いままで追い続けてきたのが人物ではなく車両でありましたが、それらが引退を迎える時、涙を流して、今までの活躍をねぎらうのです。その対応は、人も鉄道車両も同じでです。
車両は現役を退きましたが、その魂はファンの心の中で生き続け、今もレールの上を力強く走り続けているでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。